■2006年「このミステリーがすごい!」大賞受賞作です!
新人とは思えない達者な筆致に驚くばかり。一気に読んでしまいました。変人白鳥さんは新たなキャラクターとして八面六臂。シリーズ化を期待します。
変人白鳥さんの語りでしか出てこない「氷姫」。きっと次回作には満を持して姿をあらわしてくれるでしょう。……マムは彼女に期待しています♪
奥田英朗さんの伊良部一郎シリーズは読んでいると、ふと、筒井さん全盛期の作品≪俗物図鑑≫等を思いだし「あーあ、筒井さんはすごかったなあ」と、ため息をついてしまいます。奥田さんの作品にはそう思わせる隙あるいはゆるさがあります。
おなじ医者もののエンターテイメントなのに、この小説はディテールが書きこまれ人間造形にも彩りがあるせいか、吹き出しながらもバランスよく重々しくて、読む者をしっかり掴んで離しません。華々しい前宣伝を裏切らない大物新人登場です。
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